秋田弁は何もかもが短い
2017.05.23

車のイラスト寒い地方なので、空気も冷たく、冬場は、ほとんど雪に覆われた状態なので、そんな中、大口を開けてしゃべっていると、軽く口の中が凍るような感覚です。しゃべるにしても、唇がこわばっていて、思うようにしゃべれないという現実が、短いことばで意志の疎通を図る、独特の表現とイントネーションを生み出しました。
秋田弁をはじめ、東北弁は、俗に「ずーずー弁」だと言われます。しかし、実際のところは、「まんず」に見られる程度で、「~だべ」「~す」の方が多くみられるので、なぜ「ずーずー弁」と言われるのか不思議でなくらいです。
秋田弁は、基本的に「か・き・く・け・こ」「た・ち・つ・て・と」の語が、語節の最初にきた時以外は、原則、濁音になります。「焼き肉(やきにく)」→「やぎにぐ」、「男の子(おとこのこ)」→「おどごのこ」(こは語節の最初になりますから、にごりません)「たて続けに(たてつづけに)」→「たでづづげに」これを「たて・続けに」と取れば「たでつづげに」となります。こうした濁音の多いことばを、あまり口を開けずにぼそぼそと発音するので、「ずーずー」言っているように聞こえたのかもしれません。
文レベルでは「柿が好きです」→「かぎがすぎだ」と短くなる例が、多々あります。
代表的なものとしては、「ない」を「ね」と言います。「おっかない」→「おっかね」、「見たくない」→「みたくね」となります。「悪い」ということばは「わり」の一言です。同様に「なんでもない」は「なんも」になります。だから、次のような会話が、成立します。
※「わり」「なんも」(ごめん。すまなかった。)(いいよ。なんでもないよ。)
実に、二語対三語で、会話が成立しています。多くをしゃべらず意志の疎通を図る、まさに究極の省エネ発声法です。この他にも
「んだ」(そうですね)。「へば」(それじゃあ。そうであれば)。「さい」(しまった。まずい。やっちゃた)。などがあります。短い会話をもう一つ「け」は(来い)の意味があります。
※「こっちけ」(こっちに来なさい)
場所や方向を示す「に」「へ」に当たることばとして「さ」を使いますので、例えば
※「どこさ」「ゆさ」(どこへ行くんですか)(湯に入りに)
という会話が成立するのです。短く言うのではなく、厳しい自然の環境が、短く言うようにことばを磨いてきたのかもしれません。レンタカー借りて、秋田弁さ聞きにいくべ(「べ」を強く発音すると「行こう」に。小さな(え)が入るように発音すれば「いきますか」に意味が変わるのも自然が生み出した表現方法です。

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